生成AIの活用
生成AIの進化により、さまざまな業務が効率化されていると思います。しかし、私もまだまだ生成AIの活用については手探り状態です。
今回は、生成AIを活用してプライバシーポリシーを見直すプロセスについてご紹介します。本記事では、具体的なステップと実際に直面した課題について詳しく説明します。
プロセスの概要
以下のフロー図は、生成AIを使ったプライバシーポリシーの見直しプロセスを示しています。
各ステップの詳細説明
1. データ収集
現行のプライバシーポリシーのデータをテキストに変換し、各生成AIへ渡せる形にします。当社のプライバシーポリシーは社内文章等のテキストではなく公開文章としてWebに掲載されているものが正となるので、チャットに貼り付けられるようにテキスト変換しました。
2. AI解析
次に、生成AIを使ってデータを解析します。このステップでは、生成AIの選定とスクリプトの工夫が重要です。
生成AIによって特性が異なることから、今回は代表的な生成AIである、Googleの「Gemini (2.0 Flash Experimental)」、Micorosoftの「Copilot」、OpenAIの「ChatGPT (GPT-4 Turbo)」の各無料版を利用して既存のプライバシーポリシーをレビューしてもらいました。
3つの生成AIを使うことで、違う観点でのレビュー結果が得られました。3つからの共通の指摘を中心に修正を取り入れました。
他にもAnthropicの「Claude」やリートンテクノロジーズの「リートン」も普段は使っていますが、あまり多くのAIを取り入れても大変なので、私が比較的メジャーだと思っている3つを今回は使ってみました。
生成AIに対するスクリプトは何度も組みなおしました。なかなか、こちらの思うとおりの結果が返ってこなくて大変でした。
3. 結果の評価
最後に、解析結果を評価し、改善点を特定します。このステップでは、比較表のマージを人が実施しました。
比較表についてもAIにお願いしたかったのですが、章立てが原案から外れてしまっているもの、表の形式が章立てに加えて段落別になっているものなど、ばらばらでした。
実際の課題と解決策
ポイント1: スクリプトの工夫
解析の精度を高めるために、スクリプトについて工夫しました。例えば「原案との比較表を作成してください。」という指示を出すと、提案された文章と原案との比較分析をし、サマリーの分析結果を返してくれます。章別の単純な比較表を作成してもらうためには、「原文とリライト結果(提案文章)の比較表を縦軸を章、横軸を原文とリライト結果のコピー&ペーストで表にまとめてください。」と細かく指示してあげる必要があります。
スクリプトは、文章を短くすること。主語を明確にすること。ステップを短く丁寧(細かく)に記載するのがポイントです。
ポイント2: 比較表のマージ
今回は、3種類のAIからの提案結果を参考にしつつ、プライバシーポリシーを修正しようと考えていました。つまり、サマリーではなく原文や提案文章の簡単な比較表を元に修正案を検討したいと考えていたのです。
3つの結果を1つのAIにまとめをお願いしようとしましたが、章立てが原案から外れてしまっているもの、表の形式が章立てに加えて段落別になっているものなど、ばらばらだったため、どのAIでもうまく結果が得られず、やむなく自分で整理しました。
AIが生成した結果を元に原案との比較表まではできたので、効率を優先にした人との役割分担が重要となります。
まとめ
生成AIを活用することで、プライバシーポリシーの見直しが効率化されたと感じています。今後も生成AIを活用して、さらに効率的なプロセスを模索していきます。
また、この記事が、生成AIの活用方法についての理解を深める一助となれば幸いです。